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2018-10-14

天竺幻奏

天竺幻奏、北インド古典音楽。
まるで音の海の中にいるようで、
全身で音を聴きました。

インド古典音楽にはラーガという世界観があります。
季節や生き物、時間、天気などがあるようです。
西洋音楽のように譜面などはなく、
ラーガによって厳格なルールがあり、
それを守りつつ、即興で音を奏でていく…
つまり、一つとして同じライブはなく、
一期一会ということなのだなあと 、
あらためて思い、しみじみ振り返っています。

この日は

月のラーガ

真夜中のラーガ

朝のラーガ

が演奏されました。


Photo by Hideki Kurita

細い三日月を想像する…と言っていた寺原さん。
とっぷりと夜が暮れていく、深い闇に包まれて、そこに浮かぶ細い月。

刻々と夜は深まり、
友人と夜を明かし、大きな声で笑い合ったり、話したり、踊ったり。
まだまだ夜の宴は終わらない。
そんな夜の不思議な空気。
夜の魅力がたっぷり詰まっていて、
膝の上にいた娘は何度も立ち上がっていました。
わたしもそうしたいぐらいの気持ちで聴いていました。

暗闇での獣たちが叫びが遠のき、
徐々に空気は明日へと向かっていきます。
鳥が囀り、朝日が眩しく。
そして人々が活動を始めます。

わたしには3つのラーガがこんな風に聴こえたのです。


Photo by Hideki Kurita

バンスリーの寺原太郎さん、
タブラのU-zhaanさん、
サロードのSteve Odaさん、
タンプーラの田中樹里さん
みなさんが、
それはそれは楽しそうに演奏していて、
会場の空気をすっぽり包み込み、
夢のような時間です。
こんなに楽しい夜は久しぶりでした。

布団の中に入っても
タブラやバンスリーが鳴り響き、
朝はとても早くに目が覚めて、
全身が不思議なエネルギーに満ち、
本当にスッキリしていたのです。

良い音楽ってこんな力があるのですね。

そしてその音から伝わってくるもの、
心の奥深くに触れるものがありました。
励まされたり、
勇気づけられたり、
背中を押してもらったり、
決意したり、
きっとあの場にいた人それぞれがいろいろなことを感じたのではないかと思います。
演奏者の方の迫力と音楽と向き合う姿勢、
支えているスタッフの方々。
本当に素晴らしいライブでした。

わたしの人生をあと40年くらいとして、
その一日一日を
好きなもの
大切に思うものに
身を投じて生きていきたい、と
強く思うきっかけとなる時間でした。

また この音の世界に浸りたい、
次の機会をすでに心待ちにしているのです。

*天竺幻奏にてカメラマン栗田英樹さんのお写真を拝借しています。

Camatkara yogini 慈香

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