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2017-12-19

自宅出産のこと2

生まれたのは深夜でした。
赤ちゃんが出てきたとき、眩しくないようにと照明を落とし、
寒くないようにと、衣類は湯たんぽで温めてくれていました。会陰やお尻が切れないように、手を当て気遣ってくれ、
四つん這いの姿勢で、するりと生み落ちた命を助産師さんが受け取ってくれ、
わたしの胸に抱かせてくれます。
温かくて、しっかりとした重みのある赤ちゃん。やっと会えたね、嬉しいね。
性別はどっちかな、
ああ、女の子だ。

赤ちゃんを胸に抱いたまま、横に寝かせてもらい、胎盤がでてくるのを待ちます。
10ヶ月間、わたしと赤ちゃんを繋ぎ、
赤ちゃんの命を支えてくれた胎盤。
ありがとう、お役目ご苦労様。

臍の緒を切るのは、父となった夫。
助産師さんの指示を受けながら、ゆっくりと鋏を入れます。
切り終えて、わあっと歓声が上がります。
晴れてこの世の人となった赤ちゃん。

わたしの体を温かいタオルで綺麗にしてくれて、
赤ちゃんも新しい洋服に身を包み、
初めてのおっぱいを吸います。
助産師さんが赤ちゃんを胸のところにそっと寄せてくれ、スッスッと口を動かし吸い始めると、おっぱい飲んだ〜!とまた歓声が。

ここからは、赤ちゃんとお母さん、お父さんの時間。
その間に 助産師さんはすべき片付けを全てしてくれて、帰られたのは朝の4時をまわっていました。

そしてその日の午後にまた訪問してくれて、
赤ちゃんの検診、沐浴指導、
おっぱいのマッサージ、赤ちゃんへのおっぱいのあげ方、子宮の収縮状態、会陰の状態、オイルマッサージをしてくれました。

生まれてから5日間、このメニューで毎日通ってくださるのですが、これが本当にありがたかったです。

この5日間の間に夫はおむつの洗濯、沐浴ができるようになり、
わたしのおっぱいはマッサージのお陰でしっかりと開発され、一度もミルクを足すことなく、おっぱいだけで現在までくることができました。
初めてのお産、わからないことだらけのわたしたち夫婦に、赤ちゃんとどうやって暮らしていくのかを教えてくれました。

今でも 何か心配なことなどあれば、すぐに相談させてもらっています。
わたしたち夫婦にとって、お産を支えてもらった助産師さんは本当に心強い存在となっています。

助産師さんは、いつか言っていました。
「わたしたちは黒子です」
お産の主役は、あくまでも 産婦さんと赤ちゃん、その家族のもので、とてもプライベートなものです。邪魔になるようなことがあってはならないと。

信頼できる助産師さんに出逢えたことは、
わたしたちにとって、とても幸せなことでした。

自宅出産をするにあたって、本当に安心、安全なのか 悩み、考え、勉強しました。
家族の理解を得ることも大切です。

結果として、とても良いお産を経験できましたし、またお産をする機会があるのなら、
自宅出産を選択したいです。
思い返して、楽しかったなあと思うのです。
助産師さんと夫、わたしと赤ちゃん。
間違いなく、同じ時間を共有し、乗り越えたチームでした。

お産は山登りと似ています。
険しい道を登り、
いったいいつ着くのだろう、、、と、
本当に着くのだろうかと、見えないゴールを目指し、歩き続ける。
クタクタになってやっと到着した頂上。
頂上からの見晴らし。目の前に広がる素晴らしい景色によって、ここまで来た辛かった道のりは帳消しになってしまうのです。

自宅出産は何も特別なことではないように思います。
わたしも赤ちゃんも健康であるのであれば、
ふつうに生みたかった、
それだけなのです。

どこで生むとしても、
初めてのお産は知らないことがいっぱいで、不安だと思います。
もっと歩いて体力をつけておくべきだったという反省点もあります。
妊娠してから体を作るのではなく、妊娠前から気をつけていなくてはいけなかったなあと。

そして今回の出産の夫の感想は、夫婦感の絆が深まった と言っていました。

 

以下はわたしがとても勉強になった本です。
夫とともに読みました。
助産師さんに紹介していたた゛いたものも
あります。
これからお産を迎える人、母になる人、赤ちゃんを迎えるそのご家族、とても参考になると思います。

都内でお産の家を運営する大野先生の本です。「いのちを産む」はお産をむかえる家族の写真がとても美しいです。2冊とも実際のお産の現場はどんなものかをわかりやすく書いた本です。

聖路加の産科医、進純郎先生の本です。子宮の事、お産の事がわかりやすく論理的に書かれた本です。

Camatkara yogini 慈香

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